パソコンの動作が遅くなる原因には、メモリ不足、ストレージの断片化、不要な常駐アプリ、ウイルス感染などが挙げられます。これらに対処することで、パソコンの速度と安定性を大幅に向上させることができます。また、快適なパソコン環境は作業効率を高めるだけでなく、ハードウェアの寿命延長にも関わってきます。
本記事では、Windows10・11のパソコンを軽くする具体的な方法を段階的に紹介し、初心者でも実践できる内容にまとめましたので、チェックしてみて下さいね。
Windows10・11でのパソコン軽くする方法
メモリを解放するための設定
不要なバックグラウンドアプリの終了
常駐している不要なアプリやサービスをタスクマネージャーや「設定」アプリから無効にすることで、メモリ使用量を抑えることができます。特にクラウド同期系アプリやチャットアプリなどは無意識のうちにリソースを消費しています。
仮想メモリ（ページファイル）の適切な設定
システムに応じてカスタムサイズを指定することで、物理メモリが不足した際の動作安定性を保てます。特に8GB未満のメモリ構成では、仮想メモリの最適化が効果的です。
メモリ解放系のツール使用
RAMクリーナーや最適化ツール（例：Wise Memory OptimizerやMem Reductなど）を使うと、手動または自動で不要メモリを解放でき、全体的な動作が軽くなります。また、メモリの使用状況を可視化することで負荷のかかっているソフトの特定も容易になります。
ウィジェットやライブタイルの整理
Windows11では特にニュースや天気などを表示するウィジェットがバックグラウンドで動作し、メモリを消費します。不要であれば非表示設定にすることも効果的です。
定期的な再起動の推奨
パソコンを長時間起動しっぱなしにしていると、バックグラウンドプロセスが蓄積し、メモリの断片化や一時ファイルの蓄積が起こります。これにより、動作が次第に重くなる傾向があります。そのため、定期的な再起動を行うことでメモリが解放され、システムがリフレッシュされます。特にWindows Updateやソフトウェアの更新を適用するためにも、週に1回以上の再起動を習慣化することをおすすめします。
ストレージのクリーンアップと管理
一時ファイルやゴミ箱の削除
ブラウザキャッシュ、Windowsの一時ファイル、アプリの一時保存データなど、不要なファイルが蓄積されるとストレージを圧迫します。「ディスククリーンアップ」や「設定」アプリの「一時ファイル」セクションから定期的に削除しましょう。
また、私も結構ゴミ箱を空にすることを忘れてしまうのですが、ゴミ箱を空にするだけでも数GBの空き容量が生まれることがあります。
「記憶域センサー」の活用
Windows10および11には「記憶域センサー」という自動クリーンアップ機能が搭載されており、一定期間使っていないファイルを自動的に削除したり、クラウド（OneDrive）にオフロードしたりできます。「設定」>「システム」>「記憶域」から有効化し、自分の使用状況に合ったルールを設定してみて下さい。
大容量ファイルの整理
動画、RAW画像、インストーラなどの大容量ファイルがストレージを占有している場合があります。エクスプローラーで検索機能を使い「サイズ：特大」などでフィルタリングし、外部ストレージやクラウドへの移動、もしくは削除を検討しましょう。また、不要なダウンロードフォルダの整理も効果的です。
不要なアプリケーションの削除
コントロールパネルまたは「アプリと機能」からアンインストール
定期的にインストール済みのアプリケーションを見直し、使用頻度の低いソフトやまったく使用していないプログラムを削除しましょう。
特にゲームランチャー、動画編集ソフト、古いプリンタドライバなどは容量を占有し、バックグラウンドでの動作によってメモリやCPUリソースを消費する可能性があります。
ただし、アンインストールの前には、他のアプリとの関連性を確認してから削除するようにしましょう。
プリインストールされた不要ソフトの見直し
新しいパソコンには、メーカー独自のソフトウェアや体験版ソフト（いわゆる”bloatware”）が多数インストールされていますよね。しかも使用していないソフト、結構ありませんか？
これらは起動時に自動で立ち上がったり、更新通知を出すなどして動作の負荷となります。「設定」からスタートアップアプリを無効にするか、完全にアンインストールすることで、パフォーマンスを向上させることができます。初心者でも安心して実施できるよう、各アプリの機能を調べながら判断しましょう。
視覚効果の最適化
アニメーションや透明効果の無効化
Windows10および11では、ウィンドウの開閉時に表示されるアニメーションや透明効果が視覚的に魅力的ではありますが、グラフィック処理能力を消費するため、パフォーマンスに影響を及ぼす場合があります。
これらを無効にするには、「システムの詳細設定」から「パフォーマンスオプション」を開き、「視覚効果」タブで「パフォーマンスを優先する」を選択する、あるいは個別に効果をオフに設定することが可能です。
「パフォーマンスを優先する」設定に変更
この設定を選ぶことで、アニメーション、シャドウ、フェードなどの効果が一括で無効化され、CPUやGPUへの負荷が軽減されます。特に古いPCやグラフィック処理能力の低い端末では、操作の応答性が大きく向上しますのでおススメです。必要に応じて一部の効果を有効にし、バランスを取ることも可能です。
特定のデータやファイルを削除する方法
del /f /s /q コマンドでファイルを強制削除
このコマンドは、通常の削除操作では消せない読み取り専用ファイルやシステムファイルなども強制的に削除するためのものです。オプションの意味は /f が「強制削除」、/s が「サブフォルダ内も含めて削除」、/q が「確認なしで実行」となります。
例えば、del /f /s /q C:\Temp\*.tmp と入力すれば、Tempフォルダ内の一時ファイル（.tmp）がすべて削除されます。念の為、バックアップを取った上で実行するようにして下さいね。
rd /s /q でフォルダを削除
このコマンドはフォルダごと中身を完全に削除するもので、rd は「remove directory（ディレクトリの削除）」の略です。/s オプションで中身もすべて削除、/q で確認プロンプトなしに実行されます。
例えば、rd /s /q C:\OldData とすれば、OldDataフォルダとその中のすべてのファイル・サブフォルダが削除されます。誤って重要なフォルダを削除しないように、使用前には対象パスの確認を必ず行ってください。
トラブルシューティングのためのコマンド例
sfc /scannow コマンド
このコマンドは「システムファイルチェッカー」と呼ばれ、Windowsシステムファイルの破損や不整合を自動的に検出して修復します。実行するには、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、コマンドを入力するだけで開始できます。スキャンは数分から数十分かかることがあり、結果として「問題なし」「修復完了」「一部修復不可」などのメッセージが表示されます。特にシステムの動作が不安定な場合や、エラーが頻発する状況では有効な診断手段です。
chkdsk /f コマンド
このコマンドは「チェックディスク」として知られ、ハードディスクやSSDのファイルシステムのエラーを検出し、自動的に修復を試みます。/f オプションを付けることで、検出されたエラーの修復も行われます。システムドライブ（C:など）で使用する場合、再起動時に検査と修復が行われる設定となるため、スキャン後はPCの再起動が必要になることがあります。物理的な損傷とは異なり、論理的なファイル配置の不整合にも対応できます。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth コマンド
DISM（Deployment Imaging Service and Management Tool）は、Windowsのシステムイメージ（インストール状態）に対するエラーを検出・修復するための強力なツールです。このコマンドを使うことで、Windows Updateの不具合や更新エラーの根本原因を解消できる場合があります。/Online は現在のOSに対して適用、/Cleanup-Image は不要なキャッシュの削除、/RestoreHealth は破損したコンポーネントの修復を意味します。インターネット接続が必要になる場合もあります。
パソコンの動作改善ポイントまとめ
重要な設定と手順の確認
パソコンを軽くするためには、まず不要なファイルやアプリケーションを削除し、視覚効果やスタートアップ項目を見直すことが重要です。メモリやストレージの使用状況を把握し、定期的なクリーンアップやシステムメンテナンスを行うことで、快適な操作性が長期間維持されます。
快適な環境のための予防策
パフォーマンス低下を未然に防ぐには、不要なアプリのインストールを避け、常にWindowsやセキュリティソフトを最新状態に保つことが重要です。また、定期的なバックアップの実施やセキュリティチェックも忘れず行いましょう。ユーザーごとに使用環境は異なるため、自身に合ったメンテナンス習慣を構築することが望まれます。
今後のメンテナンスプランの提案
定期的な作業として、月に1回のディスククリーンアップ、アプリケーションやストレージの整理、セキュリティスキャンの実施をおすすめします。また、パソコンの起動時間や動作が遅く感じたときは、即座にタスクマネージャーを使って原因を調査し、必要に応じて対応することが理想的です。簡単なチェックリストを作成して、実施内容を記録すると習慣化しやすくなります。
知って得する！ Windows10・11パソコンを軽くする方法 まとめ
本記事で紹介した通り、パフォーマンス改善のためには「不要ファイルの削除」「メモリ・ストレージの最適化」「定期的な再起動とメンテナンス」が基本です。これらを実践することで、動作が重くなるストレスから解放され、作業効率が向上します。
また、PCの状態に敏感になることで、小さな不調にも早期に気付くことができます。タスクマネージャーやディスク使用状況の確認ツールを日常的に使いこなすことで、問題の兆候を見逃さず、スムーズな対応が可能になります。
Windowsの公式サポートページなどでは、最新のパフォーマンス改善手法や新機能の情報が随時更新されています。パソコンに関する知識を深めながら、より自分に合った最適な使用環境を構築していくことが、長く快適に使い続ける秘訣です。
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